【MRJ】まさかの5度目の納入延期
三菱航空機による一大プロジェクト、MRJ(三菱リージョナルジェット)。
昨年12月末、5度目の納入延期が一部メディアにて発表。
その時点で三菱航空機の親会社である三菱重工からの公式発表はないものの、「(納入時期を)守れるという状況にはまだない」といった発言や「1月中には対応を公表する」といった発言が三菱重工業社長からされているらしく、納入延期の事実は間違ってない模様でした。
そして今日、各メディアより納入が最大2020年前後まで先送りされるという内容が発表されました。
ということで、今回はMRJのこれまでの流れに注目してみたいと思います。
MRJ、5回目の納入延期
今回明らかになった内容は、4回目の延期により2018年半ばの納入開始予定だったが最大2020年前後へ延期するというもの。
これにより、MRJを世界にアピールするチャンスであった2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催時までに納期が間に合わない可能性も出てきました。
関係者によると、現在のMRJは機体前方に飛行制御システムを搭載していますが、それを前後に分散させる方針となった模様。
また現在訓練を行っている1~4号機、訓練を控えている5号機の製造自体は完成しているものの、補強材の追加等により重量の見直しをしなければならなくなったりした関係でANAに納入予定だった量産初号機を新たな試験機に転用が先月各メディアより発表。
このような事態に対応するためにも今回の納入延期は避けられないものだと考えられています。
MRJのこれまでの流れ
ここからはMRJのこれまでの流れをまとめてみたいと思います。
2008年
2009年
9月 胴体と主翼の設計変更、主翼素材の変更を理由に2011年初飛行、2013年に納入と発表していた予定を、初飛行を2012年第2四半期、初号機納入を2014年第1四半期に延期【1回目の延期】
2010年
9/15 詳細設計の段階から製造段階への移行を発表
2011年
2012年
4月 検査体制の不備がわかり、JA21MJ初飛行を2013年度第3四半期に、量産初号機納入を2015年度半ば~後半に延期を発表【2回目の延期】
7月 スカイウエスト航空から100機の大型発注を受注
10/4 今後20年間の受注目標を従来の1,000機から5割増の1,500機への引き上げを発表
2013年
8/22 部品の仕様変更などに手間取り、JA21MJ初飛行予定を2015年第2四半期に、初号機納入予定を2017年第2四半期に延期することを発表【3回目の延期】
10月 JA21MJの最終組み立て開始
12/1 量産統括室の新設を発表
2014年
1/21 アイルランド、ダブリンにて「MRJファイナンス・カンファレンス2014」を実施
2/12 MRJの量産計画を発表。また、シンガポールにて開催中のエアーショー会場にて組立作業をデモ。
6/25 JA21MJにPurePower PW1200Gエンジンの搭載完了を発表
10/18 JA21MJロールアウト
2015年
1/28 MRJ32機の購入を日本航空と正式契約を締結したと発表した
5/12 米国オハイオ州クリーブランドで開かれたアメリカ地域航空協会主催の航空見本市にMRJを出品
6/8 地上走行試験を県営名古屋空港で開始
6/15 パリ航空ショーに実物大のキャビンモックアップ付きで展示
6/16 MRJ部品を取り扱う大型物流施設の新設を発表
7/15 シアトル・エンジニアリング・管理センターをワシントン州に8月3日に開設すると発表
10/3 2回目の走行試験実施
10/15 鋲打ち式実施
10/29 11/9〜13の間に初飛行予定と発表した
11/6 220 km/hの高速走行試験を実施
11/11 JA21MJ初飛行
12/16 主翼の付け根の高度引き上げを理由に納入延期の方針を発表
12/24 量産初号機の納入時期を2017年第2四半期から2018年第2四半期頃に変更予定と発表【4回目の延期】
2016年
2/10 主翼の強度不足で中断していた飛行試験を再開
2/16 MRJの開発費が3300億円程度まで膨らむ可能性発覚
2/17 シンガポール国際エアショーにて、米国エアロ・リース社から10機及びオプション権10機の確定受注を獲得
5/25 伊勢志摩サミット開催に合わせ、中部国際空港にJA21MJを展示
5/31 JA22MJ初飛行
6/3 JA21MJ能登空港に初着陸
7/11 ファンボロー・エアショー会場でスウェーデンののロックトンから、20機の購入で基本合意したと発表
8/27 JA21MJの渡米失敗、県営名古屋空港引き返し。原因は空調システムの不具合。
8/28 前日に引き続きJA21MJの渡米失敗、県営名古屋空港引き返し。
8/31 エアロリース社と基本合意していた確定10機、オプション10機の購入契約が正式締結
9/25 JA24MJ初飛行
9/26 JA21MJが三度目の渡米チャレンジ。新千歳空港、エリゾヴォ空港、アンカレッジ国際空港を経由でフライト。
9/28 JA21MJグラントカウンティ国際空港へ到着
11/15 JA24MJ、グアム国際空港、マジュロ国際空港、ホノルル国際空港、サンノゼ国際空港経由でフライト。
11/18 グラントカウンティ国際空港へ到着
11/22 JA23MJ初飛行
12/11 各メディアより、量産初号機が試験機へと転用されることが発表
12/14 JA22MJ、JA24MJと同じルートにてフライト。
12/19 グラントカウンティ国際空港へ到着
2017年
1/20 納入延期が各メディアにより明るみに【5回目の延期】
1/23(予定) 三菱航空機による会見
(これらの内容は各サイト等から調べた内容であり、確実性は保証できません。)
まとめ
これまでの延期の流れをまとめてみたいと思います。
【当初の予定】
2011年初飛行・2013年初号機納入
【1回目の延期】
2012年第2四半期初飛行・2014年第1四半期初号機納入
【2回目の延期】
2013年度第3四半期初飛行・2015年度半ば~後半初号機納入
【3回目の延期】
2015年第2四半期初飛行・2017年第2四半期初号機納入
【4回目の延期】
2017年第2四半期~2018年第2四半期初号機納入
【5回目の延期】
2020年前後初号機納入
こうしてみてみると当初からかなりの遅れが出ていることがわかります。
本当であれば今頃商業運航していたんですね...
最後に
今回発表されたMRJ5度目の延期。
今後様々な動きが出てくることもあると思いますが、まずは23日に予定されている会見が注目されています。
三菱の一大プロジェクトでもあるMRJ。
一人の航空ファンとして、一人の愛知県民として今後もMRJを応援したいと思います。
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